ストレスが腸内細菌のバランスを崩す:ストレスによる悪循環を断ち切る2つの提案『すべての不調をなくしたければ除菌はやめなさい』(原題:Eat Dirt)
やまだゆう(@yamaday0u)です。
今回は、『すべての不調をなくしたければ除菌はやめなさい』の書籍紹介シリーズの第5弾です。
第1弾の記事、病気の7割は腸を健康にすれば治せる?『すべての不調をなくしたければ除菌はやめなさい(原題:Eat Dirt)』の中で、リーキーガットが引き起こされる原因として次の5つを紹介しました。
- 食物供給の質の荒廃(食べもの)
- 絶えざる細菌との戦い(除菌)
- 環境毒素の増加(環境毒素)
- 現代生活における圧倒的なストレス(ストレス)
- 薬の過剰使用(抗生物質)
今回は4つ目の「現代生活における圧倒的なストレス(ストレス)」について取り上げていきます。
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ストレスはリーキーガットの大きな原因の1つ
リーキーガットの最大で、たいていは見過ごされている原因の1つが感情的、精神的なストレスです。
腸の機能
腸に存在する数百万個の神経は「第2の脳」とも呼ばれています。(腸に神経があることにまずピンときませんね…)
この「第2の脳」は体内のセロトニンの90%、ドーパミンの50%を作り出します。
- セロトニンは充足感を伝え、不安やうつ的な気分を和らげる神経伝達物質
- ドーパミンは興奮、学習、報酬と関連する神経伝達物質
このように、腸は人間のポジティブな精神を支える非常に重要な役割をになっています。
ストレスによる悪循環
ストレスが多くなると、ジャンクフードを食べたくなり、添加物や体によくない油にまみれた栄養の乏しい食生活を送りがちになります。
こういった食生活が続くと腸内細菌バランスが崩れていき、病原菌がこれらの神経伝達物質の産生を妨害します。
これらの神経伝達物質を最適に産生できないと、ストレスが高まったり、不安やうつなどの心の健康を崩しやすくなってしまいます。
このようなメカニズムはフィードバックループとしてますます悪影響を及ぼします。
- ストレスで善玉菌が減る
- 腸内細菌バランスが崩れる
- 神経伝達物質の分泌が妨げられる
- ストレスへの反応が顕著になる
- さらに善玉菌が減る…
慢性的なストレスを受ける現代人
(Ryan McGuireによるPixabayからの画像)
本書の中でちょっと面白い話がありました。
ぼくたち人類の祖先は命の脅威と出会ったとき、「生きるか死ぬか」がかかるストレスを受け、「戦うか逃げるか」の対応をしていました。
このストレスを感じることによって、目の前の脅威に集中して対応できる体勢を瞬時に整え、生きながらえて現代につながる子孫を残してきたのです。
ところが現代の多くの人にとって、この「戦うか逃げるか」は緊急事態に対処するメカニズムではなく、初期設定として機能しています。
締め切りがあったり、プレッシャーがあったりすると力が発揮できるというのはこのメカニズムが機能しているからですが、
祖先が文字通り命をかけて戦う(あるいは逃げる)のに使用していたメカニズムを、より些細でそれほど緊急ではないことによって発揮してしまっているのです。
「生きるか死ぬか」に関わるような事態に使われていた体のメカニズムを、日常的に使っていたらそれは過度で、慢性的なストレスにつながって体の不調にもつながりますよね。
人間ってなんて不器用なのでしょうか。
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ストレスによる悪循環を止める2つの提案
少し話がそれましたが、ストレスによる悪循環を止めるために本書では2つの提案をしています。
- 善玉菌の強化
- ストレスの原因と戦う
それぞれ見ていきましょう
善玉菌の強化
1つ目の提案が善玉菌の強化です。
本書では、発酵食品を食べたりプロバイオティクスサプリメントを摂ったりすることで体内の善玉菌を増やせば、不安感やストレスを実際に抑制できることを証明した研究があると紹介しています。
発酵食品については前回の記事が参考になると思います。
食事・スキンケア・クリーニング用品を見直して環境毒素から身を守ろう『すべての不調をなくしたければ除菌はやめなさい』(原題:Eat Dirt)
腸に栄養を与えれば、ストレスによる悪循環に歯止めをかけることができるわけです。
ストレスの原因と戦う
2つ目の提案がストレスの原因と戦うことです。
慢性的なストレスへの反応を抑制するような、以下のようなストレス解消の活動をします。
- 毎日30分程度の運動
- 10分ほどの瞑想
- 自然の中を散歩
- 何事もやりすぎない
個人的には4番目の「何事もやりすぎない」を時々実行してみることが大切だと思います。
現代社会は、常に尻に火をつけられているような、追いかけられているような感覚になりやすいからです。
仕事や家事に加え、人間関係のイベント、スマホからの大量の情報など、人の神経をすり減らすものにあふれています。
こういったものから意識的に距離を取ることを時々しないと常に緊張状態になって慢性的なストレスに受けてしまうので、いったんストップしてみるといいでしょう。
ちなみにぼくにとってはこのブログを書いている時間がリラックスしてストレス解消につながる時間だったりします。
書いているうちに自分の考えを整理されていき、ごちゃついた自分の頭の中がすっきりする感覚が得られるからです。
もっと身近な例でいえば、スポーツやジョギングをしているうちに余計なことを考えなくなり、今やっていることに集中していくときの感覚に似ています。
みなさんもリラックスできる活動を定期的に実行して、ストレス解消を、ひいてはリーキーガットの予防をしましょう!
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トップ画像:mohamed HassanによるPixabayからの画像
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