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リーキーガットを引き起こす現代が生み出した最大の爆弾:薬の過剰使用『すべての不調をなくしたければ除菌はやめなさい(原題:Eat Dirt)』

Book Review

やまだゆう(@yamaday0u)です。

今回は、『すべての不調をなくしたければ除菌はやめなさい』の書籍紹介シリーズの第5弾です。

第1弾の記事、病気の7割は腸を健康にすれば治せる?『すべての不調をなくしたければ除菌はやめなさい(原題:Eat Dirt)』の中で、リーキーガットが引き起こされる原因として次の5つを紹介しました。

  • 食物供給の質の荒廃(食べもの)
  • 絶えざる細菌との戦い(除菌)
  • 環境毒素の増加(環境毒素)
  • 現代生活における圧倒的なストレス(ストレス)
  • 薬の過剰使用(抗生物質)

今回は最後の1つ、「薬の過剰使用(抗生物質)について取り上げていきます。

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リーキーガット最大の敵

本書ではリーキーガットを引き起こす5つの原因のうち、「多分一番ひどいもの」として、現代の医療システム、つまり処方箋医薬品を挙げています。

薬を使うことによって特定の病気を治してくれますが、その一方で特定の栄養素の欠乏を引き起こすこともあります。

薬の利用でリーキーガットが起きるしくみ

ある種の薬は、その機能を果たすために特定の栄養素を必要とし、その結果、ビタミン、ミネラルなどの栄養素の欠乏を引き起こすことがあります。

本書では、ペニシリンのような抗生剤(抗生物質)によって、以下の栄養素が減少または破壊されると紹介しています。

  • ビフィズス菌
  • 善玉菌
  • ビタミンB1、B2、B3、B6、B12
  • ビタミンK
  • カルシウム
  • マグネシウム
  • カリウム

身体を治すために服用している薬で、身体の中の栄養素が失われているかもしれないことは、聞き捨てならない話ですよね。

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抗生物質の利用が増えている

本書では、薬の過剰摂取によって病気が増えていることについて警鐘を鳴らしていました。

薬の利用量については次のような情報を紹介しています。

NIH(アメリカ国立衛生研究所)、ビル・ゲイツ夫妻の基金、およびプリンストン大学がスポンサーになって、抗生物質の処方を行なっている71か国を対象にした2014年の調査によると、2000年から2010年の間に全世界で抗生物質の消費量は35パーセント増加したことが分かった。(『すべての不調をなくしたければ除菌はやめなさい』より)

抗生物質は、命を脅かすような細菌感染に対抗するための重要な薬ですが、一方で乱用によって抗生物質耐性菌の拡大につながり、消化管がより多くの細菌に傷つきやすくなっています。

抗生物質の乱用でよく引き起こされる事象は以下の3つあります。

  • 腸内の有益な細菌の死滅。中には回復しないものもある。
  • 体内の組織や臓器の損傷。特に小腸、大腸、胃、肝臓。
  • 抗生物質耐性菌の発現。将来の感染が一層治癒しにくくなる。

そもそも抗生物質とは?

そもそも抗生物質がどんなものなのでしょうか。

ぼくも知らなかったのでサクッと調べてみたところ、抗生物質(英語:antibiotics)は細菌を退治するための薬だそうです。
AMR臨床リファレンスセンター

細菌が原因で生じる病気に対しては効果を発揮する一方で、ウイルス性の病気には効果がありません。

ヒトに病気を起こすことがある細菌として、大腸菌、黄色ブドウ球菌、結核菌などが知られています。
AMR臨床リファレンスセンターより)

細菌とウイルスの違い

もう一つ掘り下げて細菌とウイルスの違いについても調べました。

  • 細菌は1つの細胞しか持たない単細胞生物で、目では見ることができない小さな生物
  • ウイルスは細菌の1/50ほどの大きさしかなく、細胞を持たないヒトの体にウイルスが侵入すると、ヒトの細胞の中に入って自分のコピーを作らせ、細胞が破裂してたくさんのウイルスが飛び出し、ほかの細胞に入りこんで増殖する(AMR臨床リファレンスセンターより)

ウイルスではインフルエンザウイルスやノロウイルスが有名ですね。

ぼくらの身近な病気であるカゼも、様々なウイルスが原因で発症するそうです。

抗生物質は細菌の発育を阻害する薬なので、ウイルスに無力ということですね。

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薬ではなくプロバイオティクスのサプリメントで予防しよう

薬、特に抗生物質を乱用すると、体内の細菌に大きなダメージを与えてしまうことがわかってきました。

ぼくはかなりの強健で、年に1回カゼをひくかどうかってレベルなので薬を飲むことはほとんどありません。

でも、こんな話を知ってしまったら、今後もできる限り薬に頼らず、病気に強い健康な身体を維持していきたいと思いました。

ここで、プロバイオティクスの出番です。

これまでの記事でみてきたように、プロバイオティクスには体内の細菌の多様性を豊かにする働きがあります。

プロバイオティクスのサプリメントを摂ることで、免疫力が上がり、病気になるリスクを小さくしてくれます。

プロバイオティクスサプリメントを摂ることで、次のような働きがあるとされています。

1.健康的な消化

本書で紹介されている研究では、抗生物質に関連する下痢のリスクを42%削減することがわかっている。

2.呼吸器感染への免疫

カゼまたはインフルエンザ菌にかかったときの症状が軽かったり、カゼの継続期間が短かった。

3.心の健康

気分を高揚させ、不安やうつに強くなる。
過去記事:ストレスが腸内細菌のバランスを崩す:ストレスによる悪循環を断ち切る2つの提案『すべての不調をなくしたければ除菌はやめなさい』(原題:Eat Dirt)参照

4.体重の減少

肥満や2型糖尿病を引き起こしたり悪化させたりする炎症につながる分子が血流に入る量が減少する。

5.認知機能

普段からヨーグルトに含まれる善玉菌を摂っている女性は前頭前皮質の結合性が強いことが研究でわかっている。

6.リーキーガット

『International Society of Sports Nutrition』に発表された男性運動選手についての研究論文では、プロバイオティクスサプリメントを摂った男性はリーキーガット症状に顕著な改善が見られた。

効果の高いプロバイオティクスのサプリメントの選び方

プロバイオティクスサプリメントが身体に様々な良い効果があることがわかりました。

最後に効果の高いプロバイオティクスサプリメントの選び方をお伝えします。

  • 有機認証を受けているブランドであること
  • プロバイオティクスの数が多いこと(150億〜1兆個)
  • 菌株の多様性があること(プロバイオティクス、土壌菌、酵母菌など)
  • 確実に腸に到達する生存力を持つ菌株が含んでいること
    (ラクトバチルス・プランタラム、バチルス・サブティリス、サッカロマイセス・ブラウディなど)

以上の基準を参考にしながら、自分の身体にあったプロバイオティクスサプリメントを見つけましょう。

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トップ画像:Arek SochaによるPixabayからの画像

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