「ラテラルシンキング」でアイデアマンになろう
yamaday0uです。
今回は、木村尚義さんの『ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門』という本を紹介します。
この記事では以下の構成で説明していきます。
- 前半:ラテラルシンキングとはなにか、ラテラルシンキングに必要な能力
- 後半:ラテラルシンキングを使ってアイデアマンになろう
ラテラルシンキングとはなにか
ラテラルシンキングとはどんなものか、知っていますか?
日本語では水平思考とも訳される思考法で、問題の解決につながるものを全て正解とする思考法です。
また、既存の枠にとらわれず、「解決したいコト」に焦点を置いて考えられるため、本質志向ともいえる考え方です。
上記の説明だけではちょっとピンとこないと思うので思考法の代表格とも言えるロジカルシンキングとの比較や具体例を出していきます。
ロジカルシンキングとの違い
ロジカルシンキングは、1つずつ筋道立てて深掘りしていく、いわば垂直思考とも言える思考法です。
一方でラテラルシンキングはある問題に対して解決できれば正とするので、横展開していくこともできる水平思考です。
ラテラルシンキング | ロジカルシンキング | |
---|---|---|
解までの道のり | いきなり解にたどり着くこともある | 1つずつ筋道立てていく |
解答 | 複数ある | 基本的に1つ |
ラテラルシンキングによる問題解決の事例
次にラテラルシンキングで問題を解決した例をご紹介します。
自動改札機の例
現代における移動手段の代表ともいえるものの1つに電車がありますが、複数の交通機関が相互乗り入れできるようになって便利になりました。その一方で自動改札機の開発者を悩ませるある問題がありました。
それは、運賃計算にかかる「時間」です。
相互乗り入れによる複雑な運賃計算をふまえて処理すると、どうしても計算時間が長くなってしまうのですが、改札機内のコンピュータの性能は限られていて、計算速度を劇的に上げることはできません。
だからといって、計算が終わるまで改札の扉を閉じたままにしておくと、人の流れが止まってしまいます。
さてこの問題をどう解決したのでしょう?
この事例では、ラテラルシンキングを使って次のような解決策を講じました。
自動改札機を長くした。
計算に時間がかかるなら、「改札機を長くして、乗客が改札を通過するまでの時間を稼いでしまえ!」という発想です。
都心に住んでいて実際に乗り換え用の改札を通ったことがある方なら「通常の改札機と比べて形が長いな」と感じた方もいるのではないでしょうか。
これがラテラルシンキング的な解決策です。
面白いですよね。
ロジカルシンキング的な発想なら、コンピュータの処理速度をさらに上げたり、自動改札機の増設したりすることなどを検討していたところでしょう。
ラテラルシンキングのメリット
なんとなくラテラルシンキングの特徴がわかってきたと思います。次に、ラテラルシンキングにはどんなメリットがあるのか、見ていきましょう。
メリットの1つは、発想が豊かになりワクワクできるということです。
社会はロジカルシンキングが中心となって成り立っています。
社会を成り立たせる上でロジカルシンキングは非常に重要な役割を担っていますが、ロジカルシンキングばかりでは当たり障りのない答え、結論一辺倒になってしまい面白くありません。
既存の枠にとらわれずに考えることができるラテラルシンキングは、ときにこれまでにはなかった目新しいアイデアが浮かぶこともありワクワクさせられます。
とはいえ、ラテラルシンキングとロジカルシンキングは対立する思考法ではなく、お互いに補完し合うことができるものです。その点は認識しておきましょう。
ラテラルシンキングに必要な3つの能力
ここまで読んでいただいた方には、ラテラルシンキングに興味を持ってもらえたのではないかと思います。
ここでは、ラテラルシンキングを身につけるにはどうしたらよいか、という視点で進めていきます。
『ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門』では、ラテラルシンキングを実践するために必要な3つの能力が紹介されています。
- 疑う力
- 抽象化する力
- セレンディピティ
この3つの能力について簡単に解説します。
疑う力
疑う力とは、固定観念・常識を打ち破るための能力です。
固定観念や常識にとらわれているとありきたりな発想しか浮かびません。
こうあるべき、こういうものだということから疑います。
抽象化する力
物事の本質を抽出する能力です。
ある問題があるとき、本当に解決すべき問題(本質)は何かを見抜くことが重要です。
セレンディピティ
セレンディピティは、馴染みのない言葉なので理解が難しいかもしれません。
表現が難しいのですが、「何かを探しているとき、それとは別の価値あるものを偶然見出す力」といえばなんとなくイメージがつかめるのではないでしょうか。
たとえば冬に寒さから身を守ってくれるカイロは、ロッテが脱酸素剤の開発中の失敗作がきっかけで生まれたものだそうです。
まずは抽象化する
この中で「抽象化する力」がぼくが一番重要だと考えています。
なにか解決したい問題が起きたとき、その問題のどこに問題を感じているのか(本当に解決したい問題は何か)、本質を抽象化します。
解決したい問題は何かを考えるクセができれば、自然と固定観念や常識を疑うことにつながります。
ただ注意点として、この本質というのは、時の流れや環境の変化で変化するということです。
ここで1つ、『ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門』に載っていた事例を紹介します。
皆さんはフォードという会社をご存知でしょうか?
まだ移動手段の主流が馬車だった時代に、一部の富裕層のぜいたく品だった自動車を大衆化させた自動車会社です。
フォードの創業者であるヘンリー・フォードは、馬車の本質を「速く移動するもの」であることを見抜き、馬車に取って代わるものとして自動車を商品として販売することを考えました。
フォードは流れ作業による大量生産・低価格化で自動車販売で成功しました。
しかし、ライバル企業が多彩な色やデザインの自動車を発表し始め、当時黒色のモデルしか販売していなかったフォードの売上が落ち込んでしまいました。
一通り自動車の大衆化が完了したあとは、自動車の本質が次のように変わってしまったのです。
- (大衆化前)速く移動するもの
- (大衆化後)人に自慢できるもの
アイデアマンになろう
アイデアマンになれると楽しい
本の紹介はここまでで、アイデアマンになると楽しいという話をします。
ラテラルシンキングを実践することでいろんなアイデアを提案できる、いわゆるアイデアマンに近づけると思っています。
アイデアマンってどんなイメージがありますか?
ただアイデアを思いつくだけじゃなくて、そのアイデアを実行して実現していくことができる人がアイデアマンだとぼくは思います。
アイデアマンになると何がいい?
ではアイデアマンになると具体的に何が良いのでしょうか。個人的には以下の2つがあると思っています。
- 人から評価される
- ただ、ただ楽しい
人から評価される
ラテラルシンキングでは既存の枠にとらわれず、複数の解答を出せるので、単純に問題解決力が上がります。
問題をどんどん解決していけば、職場やお客様、友人や家族からの評価は上がります。
ただ、ただ楽しい
ラテラルシンキングに限らずですが、自分が考えたアイデアを実行するのは、単純に楽しいです。
以前、「消費する娯楽から生産する娯楽に移行したい」という記事を投稿しましたが、アイデアをじつげんすることはまさしく「生産的」なので心が満たされます。
ラテラルシンキングはアイデアを実行できる可能性を広げてくれます。
というわけで今回は以上です。
ラテラルシンキングはぼくも実践し始めたばかりなので、これからよりワクワク、生産的な時間を過ごせることを楽しみにしています。
トップ画像:Gino CrescoliによるPixabayからの画像
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